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都市銀行勤続37年の大ベテランが明かす
銀行融資、不可能を可能にする“ウルトラC”
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.10━ 2007.4.24━━━━
ご継読頂き、ありがとうございます。
4月の声を聞いた途端に寒暖の差が激しい日が続き、体調の維持も大変です。
読者の皆さん、どうかくれぐれも健康に留意下さいますよう、お祈り申し上げます。
ところで、ここでお詫びを申し上げなければなりません。
先のメールマガジン第8号、保証人の説明の中での 『 3.保証協会の保証 』の項
で訂正がございます。
3行目、代位弁済をした場合には、当然『債務者』は銀行から保証協会に移行・・・
とありますが、当然『債権者』は・・・の間違いです。
ウッカリ、一番大事な部分のミスを見逃してしまい、誠に申し訳ありませんでした。
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さて、今号は趣を変えて、銀行の守秘義務についてお話しをしたいと思います。
昨今、銀行に限らずあちらこちらの企業から顧客情報が流出し、問題となっており
ます。
銀行は普段営業活動の資料として、蓄積した顧客情報を一覧表にして、地域別、業
種別等の担当者が所持して活用しています。
内容は、取引先名・住所・電話番号・生年月日・職業・勤務先・役職名から、預金
残高・貸付残高・給与振込・年金振込・公共料金引き落とし指定等、総てが網羅さ
れており、それを基本材料にして営業活動をしているのです。
仮にこれらの資料が名簿屋などに持ち込まれれば、どんな高値がつくか想像もつき
ません。
従って、銀行もこれらの管理には神経を使い、使用後はシュレッダーで廃棄処分す
るよう厳しく指導管理しています。
勿論、個人のパソコンにデータを入力することなどは論外です。
しかし、所詮人間のやることですから、どんなに厳しく管理していても行員の質の
点もあり、雑な管理やモラルの低さから外部に漏れだすケースが多々発生するので
す。
昔、私の部下が電車の網棚に資料一切を入れたカバンを置き忘れ、それこそ青くな
って探し回った事もありました。
又、顧客一覧表が机の上に放置されていたり、裏面をメモ帳代わりに使用していた
という事例も実のところありました。
要するに個人情報に対する意識が低く、安易に流れていたのです。
こんな事例とは別に、銀行員の言動にも問題があります。
よく居酒屋で、一見して銀行員と判る数人が声高に話している場面に出会います。
「あの会社の社長は、方針が定まっていない・・」
「従業員の定着率が低い・・」
「社長と専務がうまく行っていない・・」等等
又、昼休みに喫茶店で女子行員が、コーヒーを啜りながら談笑している場面に遭遇
します。
「うちの支店長のやり方はおかしい。窓口で給与振込口座など取れる訳がない・・」
「あの会社は毎日入金待ちで、嫌になっちゃう・・」
「あの会社の経理部長はセクハラよねぇ・・」
聞いていないようで、周囲の人は耳をそばだてています。
そして、噂が噂を呼び、尾ヒレがついて広がって行きます。
ですから私の現役時代、女子行員がユニホーム姿で昼休みに外出することを、一切
禁じたものです。
そう言えば昨今は、余りユニホーム姿で出歩く女子行員も見掛けなくなりましたし、
居酒屋で銀行員風の人とも会わなくなりましたね。
指導が厳しくなったのか、また飲みに行く暇もないくらい忙しいのかは分かりませ
んが・・
さて、余談はさておき本題に入りましょう。
銀行員が入行する際に、真っ先に注意されることは「銀行員は、取引によって知っ
た取引先の一切の秘密を第三者に漏らしてはならない」という事です。
これは、道義上も当然のことで、そのことが取引先の利益につながり、銀行の信用
を増すことになる訳です。
そして銀行が、銀行秘密義務に違反した場合は、当然取引先に対し損害賠償責任を
負わねばなりません。
では銀行秘密の内容とはどんなものでしょうか?
取引先の預金・貸金その他の資産状態や会社内の設備・技術・業務計画・その他経
営上の秘密などで、一般に公表されている資本金・代表者の氏名・営業種目などは
含まれません。
銀行は、原則として取引上知り得た顧客の秘密を他に漏らしてはならないのですが、
取引先の承諾があるときや、法令に基づく尋問・質問・検査・訴訟など正当な事由
があるときは、秘密義務は無くなります。
簡単にどういう事かと言えば、正式な書状による税務調査や裁判所、警察などの調
査検査は、指示された範囲内で開示しなくてはならない・・・という事です。
一番身近で関心の高い税務署の調査で言えば、税務署の職員は特定の取引先の銀行
取引について調査権を持っているのです。
従って、銀行がこれを拒んだり、嘘をついたり、妨害した場合は処罰されることに
なります。
この特定の取引先というのは、書面ではっきりと姓名が記載されていますから、そ
の人の分だけに限定されており、関連した部分や普遍的な調査は銀行は拒絶出来ま
す。
しかし、これらの通常税務署が行う任意の調査とは別に、強制的な調査があります。
国税局などが上記のような任意の調査では目的が達成出来ず、滞納処分や国税犯則
事件のため必要がある場合は、銀行に対し臨検・捜索・差押さえなど、銀行が応ず
るか否かに関係無く調査が行われます。
こうなれば、守秘義務もへったくれもありません。
私の現役時代にも国税局の調査を受けましたが、それはそれは大変なものでした。
閉店前に10人近い国税局員が一斉に立ち入り、机の中は勿論のことロッカーの中
まで調査され、一体全体どこの取引先の調査かも分からぬまま、長時間厳しい調査
を受けたものです。
「マルサ」の映画そのものの調査、卓上日誌は遡って一枚一枚、担当者の手帳まで
全部調査されるのです。
トイレに行くのも、付いて来られるのですから・・
さて、税務以外はどうでしょうか?
裁判所や捜査機関からの調査嘱託、捜査、押収などのケースがあります。
そんな場合銀行は守秘義務とは全く無関係な存在になってしまい、総てをオープン
にする必要があります。
読者の皆さんは余り関係のない話しとは思いますが、銀行の守秘義務とその限界に
ついて紹介させていただきました。
過去の発刊分、その他疑問やご質問がございましたら、どうぞご遠慮なくメール頂
ければ幸いです。